君が喜んでくれますように

バレンタインデーの話を書いていないけれど。
ネタをいただいたのでホワイトデーの話を書きます(笑)
なので現代設定でお願いします。今回はみんな、付き合ってる設定ですよ!

 

★★★★★★★★★★

笑顔で渡された紙袋を思わず受け取る。それから首を傾げた。これはいったいなんだろうか。
 袋に印字されたロゴは、クラスメイトの女子が話していた雑貨屋――だった気がする。淡紅はあまりくわしくないのだが。
 袋は丁寧にラッピングされている。プレゼントだろうか。しかし何に対して。
 そんな疑問をこめて再び頼を見た。二人が今いるのは淡紅の教室。時刻は放課後。幸いにもいるのは二人だけ。

「えっと、ホワイトデーのプレゼントなんだ」
「ホワイトデー……ああ。……申し訳ありません、失念していました」

 思い返せば一か月前、淡紅はガトーショコラを頼に贈っていた。生まれて初めての、いわゆる「本命チョコ」だった。受け取った頼が嬉しそうだったので、淡紅も嬉しかった。
 見返りを求めないどころか、ホワイトデーという日そのものを失念しているのは彼女らしい。

「気にしないで。――よかったら開けてみてくれるかな? 淡紅ちゃんがつけたらかわいいだろうなって思うものを選んだから、気に入ってもらえるか分からないけれど」
「……それではお言葉に甘えまして」

 

続く…。

 

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